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開業届、まだ出していないんだけど、Squareの審査って通るの?
この疑問で検索すると、体験談がたくさん出てきます。「通った」「書類は何も出さなかった」。でも体験談は、その人の場合の話です。自分の場合どうなるかを知りたくて、Squareの公式ヘルプと規約を一通り読みました。
答えから言うと、開業届の有無は入口になっていません。線が引いてあるのは別の場所でした。
申し込みフォームに、開業届の提出欄はない
まず申し込みの流れから。Squareのヘルプ「Squareアカウントを設定する」に、画面の手順がそのまま載っています。
アカウントを作ったあと、決済を受け付けるための「有効化」で「法人/店舗」か「個人/個人事業主」を選びます。開業届を出しているかどうかは、ここで聞かれません。入力するのは、業種と事業タイプ、店舗の情報、年間売上の見込み、過去5年の行政処分歴のチェック、そして本人確認のための個人情報。書類の添付は、この時点では出てきません。
本人確認も、最初は書類ではなく情報の入力です。入力は2回まで試せて、それで認証されなかった場合に「ご本人様確認」の画面が出て、書類のアップロードに進む。つまり、すんなり通る人は書類を1枚も出さずに終わります。体験談の「何も出さなかった」は、この道を通った人です。
1つだけ、入力で気をつける場所があります。お客さまのレシートに出る店舗名の欄に、「本社」や担当者名、商品名だけを入れないこと。ヘルプがわざわざ注意している、つまずきどころです。
求められたときの「代わりの書類」は公式が列挙している
問題は、追加情報を求められた場合です。ここでようやく、開業届の出番。
Squareの「申込審査に関するFAQ」には、個人事業主は開業届を提出してください、とあります。ただ、その直後にこう続きます。開業届がない場合は、広告、メニュー表、各種ライセンス証明書、名刺、過去の請求書・注文書・納品書など、提供サービスの内容が確認できる書類でよい。
開業届の代わりになる書類(公式FAQの列挙・2026年10月8日時点)
- 広告、メニュー表、名刺
- 過去の取扱品・サービスの請求書、注文書、納品書
- 各種ライセンス証明書。業種の例: まつげサロンは美容所届、飲食店は営業許可証、カウンセリングは資格や卒業証書、リサイクルショップは古物商許可証、アートメイクは医師免許
出典: Squareヘルプセンター「Square アカウントの申込審査に関するFAQ」(記事5682)。提出は1項目につき1ファイル、複数あるならまとめて1ファイルに
この並びをよく見てください。役所の書類は1つもありません。審査が確かめたいのは「届を出したか」ではなく、何を売っている人なのかが外から分かるかです。教室の案内チラシでも、お客さんに渡した請求書でもいい。
だから、開業届を出していなくても詰みません。逆に言えば、売るものがまだ何も形になっていない段階だと、出せる書類がない。審査より先に、名刺かメニューを作るほうが順番として正しいわけです。
提出後の審査は1〜2営業日。やりとりはメールだけで、電話窓口はありません。審査のあとで本人確認書類を求められるケースは、利用中に本人確認を求められたときの記事に書いています。
万一、否認の連絡が来てしまったら、審査に落ちたときの確かめ方の記事から立て直せます。
口座も、屋号なしの個人名義でいい
開業届とセットで心配されるのが、銀行口座です。屋号付き口座なんて持っていない、普通の個人名義でいいのか。
ヘルプ「銀行口座を登録・編集する」に明記があります。個人事業主は、自身名義で事業用に使っている口座なら、屋号なしの個人名義で登録できます。他人名義はダメ。ゆうちょ銀行や信用組合、JAバンクの口座も使えます。
登録すると、Squareから1円のテスト入金が来て、口座の認証が行われます。最長3〜4営業日。読んでいて面白かったのは、この1円の扱いまでヘルプに書いてあったことです。返金する必要はなく、帳簿では「その他の収入」として報告することをSquare自身が勧めている。1円の仕訳まで案内する決済会社、ちょっと律儀すぎませんか。

開業届より先に、引っかかる線がある
ここまでなら「開業届なしでも大丈夫」で終わりなのですが、規約を読んでいて、もっと手前に太い線があるのに気づきました。
禁止商品のリストの最後に、ぽつんと一行あります。「商用以外での使用」。
Squareは事業のための決済サービスで、個人間の送金や、自分のカードで自分のアカウントに決済する行為は、規約違反です。家族のカードで決済するのも違反になりうる、と明記されています。認められている例外は、リーダーの動作確認のための少額テストだけ。
「開業届を出していない個人」は使えても、「事業ではない個人の用事」には使えない、ということです。友だちから会費を集める、立て替えの精算に使う、といった送金アプリ的な使い方は、審査に通る通らない以前の話です。ここを混ぜて「個人でも使える」と書いている記事があるので、線は引き直しておきます。売る商品やサービスがあること。それが条件のすべてです。
あわせて、継続的なサービスを前払いで売る場合は、期間2か月超かつ5万円超で決済できない対象になる線があります。教室やレッスンの人は、開業届より先にこちらを確認したほうがいいくらいです。
審査が見るのは、開業届という紙ではなく、事業の実体。名刺1枚、メニュー表1枚でも示せる。
開業したてで、お店の看板になるホームページまで手が回っていないなら、お店のホームページの作り方も用意しています。名刺とメニューができたら、次はそれを置く場所です。
出典: Squareヘルプセンター「Squareアカウントを設定する」(記事5123)「Square アカウントの申込審査に関するFAQ」(記事5682)「銀行口座を登録・編集する」(記事3896)「Squareの事業制限を理解する」(記事6386)「Square POSレジでの取り扱いが認められない商品とサービス」(記事8470)。いずれも2026年10月8日に確認。

